「東洋のロダン」と称された、日本を代表する彫刻家 朝倉文夫の作品です。
そして、台座の上に鎮座する木下成太郎先生は、武蔵野美術大学の創設者でもあります。
烏の糞で汚れた 「木下成太郎先生像」ですが、水をかけ、乾拭きすれば奇麗になります。
水と緑の中島公園は、歴史と芸術の公園でもあります。 国指定重要文化財豊平館は、あの有名な鹿鳴館より古いのです。
そして、同じく重文八窓庵は、江戸時代に建てられた茶室で、滋賀県より移築されたものです。
それらに加えて、中島公園第三のお宝として、再認識されると期待されているのが、朝倉文夫作の「木下成太郎先生像」です。 今は森の片隅にひっそりと置かれた感じです。
一人で、話し方の練習をしていると、突然QPが口をはさんできた。
「アンタ、いつから美術が好きになったのよ」
「はい、つい最近のことです」
「すぐ、知ったかぶりするんだね」
「中島公園のことになると、つい熱くなります」
「少しはアタマを冷やしなさい」
「分かりました」
「知らない人が聞いたら、本気にするからね!」
「はいはい」
と言う訳ですから、書いている私は正確を期しているつもりですが、間違い、勘違いなどあると思います。あらかじめお詫び申し上げます。
中島公園で特に貴重な野外彫刻の一つとして、朝倉文夫 作の「木下成太郎先生像」を挙げなければなりません。 質の高い一級品と言われています。 札幌の至宝というよりも日本の宝と言うべきではないでしょうか。
朝倉文夫という、当時の日本彫刻界をリードする大人物の作品が中島公園だけに残されたのです。 まさに奇跡です。 戦時中、物資不足のため、朝倉文夫のブロンズ像が400点も潰されて大砲にされました。
その中で、この作品だけが生き残り、非常に貴重なものになってしまいました。 しかも朝倉文夫が一番力のこもっている頃の作品で、質も非常に高いのです。
「木下成太郎先生像」は、武蔵野美術大学 校友会関係者にも注目されています。 美を愛し武蔵美(ムサビ)で学んだ方々の間でも、知られるところとなったのです。
「だからといって、あんたが威張ることないでしょ」
「立派な銅像ですが、森の片隅で寂しそうです」
「前に、テレビに出たよ。一緒に観たでしょ」
「刑事ドラマの殺人現場じゃあないですか。あんな扱いじゃダメです」
TVドラマのタイトルは忘れましたが、札幌市内の寂しい場所として、ドラマに使われたことを覚えています。 横たわる死体の側にある銅像が不気味に見えました。こんなことではいけません。
