
6月30日北海道新聞に「母と子の像無惨 いたずら悪質 目に花火の焦げ跡」との見出しの記事があった。 ついに新聞でも取り上げたかと思った。 遡ること約2週間前、中島公園ウオッチャーのMさんより事件を知らせるメールが届いた。 現場に行って見ると、山内壮夫作の「母と子の像」が無惨な姿で転がっていた。 早速、写真を撮り、「中島パフェ、速報掲示板」に「祭りの夜の悪戯か?」という題名で書き込んだ。 6月17日のことである。 新聞記事が出た後で、このような事件を二度と起きないようにするにはどうしたらよいか考えてみた。 事件の背景には私を含め、一般市民の野外彫刻に対する無関心があると思う。 とりあえず自分にできることをしようと言うことで、FMラジオカロス・サッポロに「野外彫刻を大切にしよう。中島公園を綺麗にしよう」という趣旨の意見広告を流すことにした。
毎週木曜、夜8時からの中島公園を含む地元の番組「山鼻、あしたもいい天気!」の中で流すように手配し、7月5日より放送されることになった。 この意見広告は反響を呼んだ。 先ず、各番組のパーソナリティが、意見広告の後で、事件に関する感想・意見などを話してくれた。 7月12日の「アートなラジオ」では、この問題を取り上げた特別番組を組んでくれた。 その中で、札幌彫刻美術館友の会、橋本会長からもご意見を頂いた。 新聞等マスコミの記事は一回限りで終わることが多いが、それで問題が解決するわけではない。 しかし、きっかけとしての意味はもつ。 これを機会に、「野外彫刻を大切にしよう。中島公園を綺麗にしよう」というPRを息のながい活動として続けて行きたいと思う。 資料1 北海道新聞2007年6月30日朝刊抜粋
中島公園内で、札幌ゆかりの彫刻家が手がけたコンクリート像「母と子の像」がいたずらされているのが29日、見つかった。母子の目のあたりを花火で焦がしたとみられる。 
同公園の指定管理者「さっぽろパークマネージメントグループ」は「あまりにもひどい」と憤り、30日にも被害届を出す方針だ。 像は彫刻家山内壮夫(1907−75年)の作品。高さ115センチで、61年ごろ設置された。 「母と子の像」へのいたずらはこれが初めてではない。札幌まつり最終日の翌17日朝には倒れた状態で見つかり、管理事務所がトラックに搭載したクレーンで元に戻した。 資料2 「中島パフェ」の意見広告(FMラジオカロス毎週木曜20時台1回放送)
中島公園の野外彫刻を綺麗にしよう。 札幌祭り最後の夜、山内壮夫の名作「母と子の像」が無残にも押し倒された。 更に、母と子の4つの目を真っ黒にされた。 こんな悪戯は絶対にやめよう。 野外彫刻を大切にしよう。 中島公園を綺麗にしよう 資料3 札幌彫刻美術館友の会 橋本会長の意見
(FMラジオカロス7月12日20時より「山鼻、あしたもいい天気!」アートなラジオで放送) 中島公園にある山内壮夫の2点の彫刻がいたずら花火で汚されたことを知り、早速状況を確かめました。いずれも45年余りを経たコンクリートの作品で表面の風化が進んでいた上、目がタール状のもので真っ黒になっていました。 それで数人の彫刻家に洗浄や修復方法をお聞きして公園管理事務所にお伝えしました。7月8日に洗浄され、元の姿に戻っていました。 それにつけても、心無いいたずらで貴重な芸術作品が冒読されたことは許せません。さらに文化財がこのような被害に遭った場合の緊急対策が市に備わっていない点がもっと心配です。 野外彫刻などの耐久文化財の危機管理や補修・保全などに即応できる仕組みが必要なのではないでしょうか!市民と芸術家と行政が一体化して美しい札幌の街作りにはげめるような組織と活動も必要ですね。 |