2007年07月31日

2007年7月の中島公園

中島公園2007年7月

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中島公園の7月は今年初めてのサッポロシティ・ジャズ「ホワイト・ロック」「豊平川花火大会」など大きなイベントでにぎわいましたが、今月のテーマはあえて「中島公園の野外彫刻」としました。 サッポロシティ・ジャズ、及び豊平川花火大会については別頁を設けました。  

 

1頁:中島公園内の野外彫刻

 

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←山内壮夫作「森の歌」 児童会館前

「今月は中島公園の野外彫刻について話したいと思います」

「トップ画像はラーメン屋ですか?」

「お馴染みの売店Midoriですが、今年からラーメンを始めました。函館名物塩ラーメンです」

「店主はエスタ10階のラーメン共和国で『あじさい札幌エスタ店』の店長をしていたそうですね」

「よくご存知ではないですか。 ラーメン屋ですか、と聞いたのは話をそらすためですか?」

「テーマは野外彫刻でしたね。はいはい、どうぞ」

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林正美作「ヨットと方向」 児童会館横(北側)

伊藤健寿作「のびゆく子等」 菖蒲池北側広場


 

2頁:中島公園内の野外彫刻2

 
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←朝倉文夫作「木下成太郎像」 菖蒲池東側の森

「森の歌は百花園の噴水の真ん中にありましたが、公園再整備のときに百花園はなくなり、児童会館前に移設されました」

「現在そこは地下鉄駅工事中。 貴賓席から工事現場に移った感じですね」

「彫刻は周囲の景色と一体となって、更に美しくなります。 それで『のびゆく子等』については2004年の写真を載せました。 この辺りの木々は台風でだいぶ倒れ、風景もずいぶん変わってしまいました」

「最新の写真、最新の情報。 これが"中島パフェ"のポリシーと聞いていましたが・・・」

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山内壮夫作「鶴の舞」 芝生の広場北側

山内壮夫作「猫とハーモニカ」 芝生の広場北側


 

3頁:中島公園内の野外彫刻3

 
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←山内壮夫作「笛を吹く少女」 芝生の広場東側

「百花園はなくなりましたが、バラの花と4点の山内作品が残りました。鶴の舞、猫とハーモニカ、笛を吹く少女、母と子の像です」

「今年の札幌まつりの最終日の夜と思いますが、母と子の像が酷い悪戯をされていましたね。」

「悪戯というより犯罪です。犯人を捕まえて、お座りの刑にすべきです!」

「お座りの刑って何ですか?」

「オデコに"私を押し倒して、転がして、尻に火をつけて下さい"と書いて像の横に座らせるのです」

「興奮しないで下さい。オデコにそんなに書けません」

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山内壮夫作「母と子の像」 芝生の広場南側

安田侃作「相響」 キタラ前


 

4頁:中島公園の野外彫刻、残りの一点

 
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←小田襄作「風景の夢」 伊夜日子神社裏

「風景の夢ですが、2004年の台風の後、周辺が整備されて、休息所のようになりました」

「先日、行ってベンチで一休みしたのですが、カンカン照りで暑かったですね」

「そうですか。木がもう少し大きくなるといいですね。
ところで、ホワイトロック真っ最中です。 Tシャツも売っていますよ」

「フリマみたいなものですか?」

「サッポロ・シティ・ジャズのofficial T-shirtのことです。 ホントに知らないのですか? 今は札幌中ジャズの街になっていて中島公園は、そのメイン会場です」

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サッポロ・シティ・ジャズ公式シャツ 自由広場

ミュージックテント「ホワイトロック」 自由広場


5頁:中島公園の花、豊平川花火大会

 

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←芝生の広場より藻岩山を望む 7月18日

「それで、ガーガーうるさいのですね。 近所のオバサンがこぼしていましたよ」

「花火に比べれば静かなものです」

「花火は1時間だけ、たった2回。 凄く奇麗です。 一番人気のあるイベントです。比べ物になりません」

「確かに花火の日は中島公園もにぎわってますね。普段ひと気の無い夜の売店も、この日ばかりは浴衣姿の女性も混ざって、そこそこの賑わいでした」

「しかし、周辺に高層ビルが建ちだし、花火はだんだん見えにくくなっています。 花火が観たければ、邪魔になっている当のマンションに住む。不条理ですね」

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7月20日 豊平川花火大会夜の売店Midori

中島公園より観た豊平川花火大会


今月の一枚 ハトは友達 

  

真正面にたってカメラを構えニッコリ笑って「いいですか」と小声で聞くと、かすかに笑いうなずいてくれた。  横に回って静かに近寄ると「貴方もやりませんか」と言ってくれたので、それには答えず「写真撮らせて下さい」と頼むと二人並んでポーズをとってくれた。 7月23日午後の中島公園は曇りときどき晴れ。 

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管 理 人 の つ ぶ や き

 「中島パフェ」提供で意見広告

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6月30日北海道新聞に「母と子の像無惨 いたずら悪質 目に花火の焦げ跡」との見出しの記事があった。

ついに新聞でも取り上げたかと思った。 遡ること約2週間前、中島公園ウオッチャーのMさんより事件を知らせるメールが届いた。

現場に行って見ると、山内壮夫作の「母と子の像」が無惨な姿で転がっていた。 早速、写真を撮り、「中島パフェ、速報掲示板」に「祭りの夜の悪戯か?」という題名で書き込んだ。 6月17日のことである。  

新聞記事が出た後で、このような事件を二度と起きないようにするにはどうしたらよいか考えてみた。 事件の背景には私を含め、一般市民の野外彫刻に対する無関心があると思う。

とりあえず自分にできることをしようと言うことで、FMラジオカロス・サッポロに「野外彫刻を大切にしよう。中島公園を綺麗にしよう」という趣旨の意見広告を流すことにした。 


毎週木曜、夜8時からの中島公園を含む地元の番組「山鼻、あしたもいい天気!」の中で流すように手配し、7月5日より放送されることになった。

この意見広告は反響を呼んだ。 先ず、各番組のパーソナリティが、意見広告の後で、事件に関する感想・意見などを話してくれた。 

7月12日の「アートなラジオ」では、この問題を取り上げた特別番組を組んでくれた。 その中で、札幌彫刻美術館友の会、橋本会長からもご意見を頂いた。

新聞等マスコミの記事は一回限りで終わることが多いが、それで問題が解決するわけではない。 しかし、きっかけとしての意味はもつ。 

これを機会に、「野外彫刻を大切にしよう。中島公園を綺麗にしよう」というPRを息のながい活動として続けて行きたいと思う。


資料1 北海道新聞2007年6月30日朝刊抜粋 

中島公園内で、札幌ゆかりの彫刻家が手がけたコンクリート像「母と子の像」がいたずらされているのが29日、見つかった。母子の目のあたりを花火で焦がしたとみられる。

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同公園の指定管理者「さっぽろパークマネージメントグループ」は「あまりにもひどい」と憤り、30日にも被害届を出す方針だ。

像は彫刻家山内壮夫(1907−75年)の作品。高さ115センチで、61年ごろ設置された。 「母と子の像」へのいたずらはこれが初めてではない。札幌まつり最終日の翌17日朝には倒れた状態で見つかり、管理事務所がトラックに搭載したクレーンで元に戻した。


資料2 「中島パフェ」の意見広告(FMラジオカロス毎週木曜20時台1回放送)

中島公園の野外彫刻を綺麗にしよう。 札幌祭り最後の夜、山内壮夫の名作「母と子の像」が無残にも押し倒された。 更に、母と子の4つの目を真っ黒にされた。 こんな悪戯は絶対にやめよう。 野外彫刻を大切にしよう。 中島公園を綺麗にしよう


資料3 札幌彫刻美術館友の会 橋本会長の意見

(FMラジオカロス7月12日20時より「山鼻、あしたもいい天気!」アートなラジオで放送)

中島公園にある山内壮夫の2点の彫刻がいたずら花火で汚されたことを知り、早速状況を確かめました。いずれも45年余りを経たコンクリートの作品で表面の風化が進んでいた上、目がタール状のもので真っ黒になっていました。

それで数人の彫刻家に洗浄や修復方法をお聞きして公園管理事務所にお伝えしました。7月8日に洗浄され、元の姿に戻っていました。

それにつけても、心無いいたずらで貴重な芸術作品が冒読されたことは許せません。さらに文化財がこのような被害に遭った場合の緊急対策が市に備わっていない点がもっと心配です。

野外彫刻などの耐久文化財の危機管理や補修・保全などに即応できる仕組みが必要なのではないでしょうか!市民と芸術家と行政が一体化して美しい札幌の街作りにはげめるような組織と活動も必要ですね。

posted by H.Ishikawa at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 7月の中島公園